神棚について
日本人は、昔から生活の基は家庭であり、家族の精神的な支えとなるものは神棚であると考えてきました。その神棚に一家そろって手を合わせて神様に感謝し、家庭の幸福、ご加護をお祈りすることで、円満な家庭が保たれるのです。まさに日本古来の美風であり、良俗であります。
神棚には神宮大麻と鎮守の神札を
その神棚には、日本人の総氏神である伊勢の神宮のお神札(神宮大麻・大神宮さま・お伊勢さま)と、居住している土地に鎮座する鎮守(産土)さまや崇敬する神社のお神札をおまつりします。神棚に神宮大麻や鎮守様のお神札を納めないことは例えていえば「仏作って魂入れず」で、一番大切で重要なことが欠けていることになります。
神棚を祀って家庭の安泰を祈ろう
鎮守の神社が地域の発展と安泰を祈る「より所」であるように、神棚は家庭の隆昌と安泰を祈る「より所」だと言えます。
神様のご加護を受けて円満な家庭を守り育ててください。
神棚に関するQ&A
- 神棚(宮型)はどこで購入するのがよいでしょうか?
- 近くの神社にお申し込みください。
宮型は、一社造り、三社造り、五社造りなど、種々の規模のものがありますので、神社で相談してください。>> お近くの神社はこちら
- 神棚の棚板の大きさ、材質は決まっているのですか?
- 巷では棚板の大きさは3尺6寸5分(1年365日からきている)でなければならないとか、材質は檜を使わなければならないなどと言われることがありますが、根拠が無く、これらについての制約は特にありません。
大事なことは、住宅とバランスがとれる大きさにすることです。大住宅に3尺程度のものでは小さすぎるでしょう。
材質はとくに決まりはありませんが、神様をお迎えする場所ですから、当然新しい木材を使用しなければなりません。
- 神棚をまつる場所・方位を教えてください。
- 一番大切なことは神様に失礼のない場所で家族がいつも手を合わせられ、清浄を保たれる部屋におまつりすることです。
次に神棚をまつる場所、向きについてのポイントを上げておきます。- 神棚の正面を南、東南、又は東向きにする。
- 家の中心からみて北東、西南の鬼門方位を避ける。(各30度の範囲)
- 人が立ったとき、見下ろすことのないような高さにまつる。
- トイレと隣り合わせにならない場所を選ぶ。
- 2階がある場合、神棚の真上がトイレ、洗面所、浴室にならないようにする。また真上が部屋の場合はタンス等を置いて踏まないようにすれば構いません。
- 神棚を壁に造ることができない場合(アパート、マンション等)はどうすればよいのでしょうか?
- おまつりする場所は、前項を参考にして良い場所を選び、そこにタンスやサイドボードを置いて、その上に神棚をおまつりすると良いでしょう。
その際、家具の上に直接神棚(宮形)を乗せるのではなく、新しい板を置いてその上におまつりしてください。
- 家を新築したのですが、神棚(宮形)は以前のものでよいのでしょうか?
- 基本的には差し支えありません。
家を建てるということは、現代においては一大事業であり、度々あることではありません。神様に守護されて無事完成したのですから、できれば神棚も新しい家にふさわしい、新しいものにすることが望ましいと思います。
- 新しく神棚を設置するとき、お祓いをすべきですか?
- 「神棚奉鎮祭」というお祭りをして祓い清め、その家が末長く神様にお守りいただくよう祈願します。
このお祭りは神職がその家に行って行いますが、神社に神棚を持参してお祓いを受けることもできます。
- お神札のまつりかたを教えてください。
- 神棚中央に伊勢の神宮のお神札、向かって右に鎮守(産土)さまのお神札、向かって左にその他の崇敬神社のお神札をまつり、大きいお神札は左右に立てかけておまつりします。
- 伊勢の神宮のお神札とはなんですか?
- 正式には「神宮大麻」といい、私たち日本人の総氏神として、伊勢の神宮におまつりされる天照大御神のお神札のことです。
毎年、年末年始には神社の社頭で、又は鎮守(産土)の神社の神職や総代さんたちの手によって頒布されます。
- 鎮守(産土)さまとはどういう神様ですか?
- 皆さんの住んでいる地域をお守りくださる神様です。鎮守(産土)さまのお神札を神宮大麻とともに毎年お迎えします。
- 崇敬神社のお神札とは何ですか?
- 居住地域に関係なく自分の信仰によって特別にお迎えした神社のお神札のことです。お神札は毎年新にお迎えください。
- 注連縄や紙垂のつけかたを教えてください。
- 注連縄は神聖な場所を示すしるしです。張り方は神棚に向かって右から左に張り、太いほう(元)を向かって右にします。
紙垂は4枚(地域によっては8枚)付けます。
- 紙垂は4枚付けるとのことですが、4という数は縁起が悪くないのですか?
- 4(死)という数を嫌って3枚とか5枚付けるの間違いです。
注連縄を四方に張ると4X4で16枚、16という数は神数(天の数八、地の数八)であり、神棚には正面の数4枚が基本です。
- 雲形にはどういう意味がありますか?
- 雲形は、神棚の上は雲、即ち天であり、神様は天におわすとの意識の現れであると同時に、その上を人が歩いたりして不敬にならぬように雲をかたどったものです。
- 神棚にはどんなものをお供えするのですか?
- 神棚には毎朝、私たちの食生活にかかせない「米・酒・塩・水」を感謝の気持ちをこめてお供えします。米の代わりに炊きたてのご飯でも良いでしょう。
また、初物なども、まず神様にお供えしてからいただいてください。
- 家に葬式ができた場合には神社や神棚のお参りはどうするのですか?
- 神棚に半紙をはって毎日のお参りを中断します。「五十日祭」が済んで忌み明けとなった時点で神棚の祭りを再開します。
また、親戚に不幸ができた場合は下記を参考にしてください。 参考:(茨城県神社庁の見解)- 父母・子・配偶者:50日
- 祖父母・兄弟姉妹:30日
- 曽祖父母・甥・姪・叔父叔母:10日
- 家族や親戚に不幸ができて、喪に服す期間中にどうしても出席しなければならない祝い事や祭事等がある場合はどうすればよいのですか?
- こういう場合は誰も困った経験があると思います。近くの神社に相談して「服祓い」「忌み祓い」を受けてから出席してください。
- 古いお神札やお守りはどうすれば良いのですか?
- 一年間お守りいただいた感謝をこめて丁寧にまとめて神社に持って行き納めます。
近くの神社にも納められますが、できるだけそのお札やお守りを受けた神社に納めるようにしてください。
神社では神職によってお祓いしたのちお焚き上げ致します。
- お寺のお神札を神社に納めても良いのですか?
- お寺のお神札はお寺にお返しください。
お寺で受けたお札は仏壇でおまつりしてください。
- 年に一度お神札を新しくする意味を教えてください。
- お神札は神霊の宿る依り代ですから常に清浄にしておく必要があります。毎年お神札を新たに受けるということも、人間の清浄な心の自覚を強めると同時に、一年間を無事幸福に過ごしていく威力(エネルギー)をお神札を通して神様よりいただく意味があるのです。